2011年1月26日水曜日

新築?改築 「特需」逃すな 住宅版エコポイント 各社対応強化

 省エネ効果の高い住宅の新築やリフォームに最大30万円相当のポイントを付与する「住宅版エコポイント」の申請受け付けが8日から始まり、住宅や不動産、住宅設備など関連各社が対応商品の発売やPRなどに力を入れる。個人消費が伸び悩むなか、新規需要の取り込みに向け各社が対応を加速させている。

 ◆独自に上乗せ

 大和ハウス工業や積水ハウスなどの大手住宅メーカーは、すでに外壁や窓の断熱性を高めるなど、住宅版エコポイントに対応した新築住宅を取り扱っている。さらに、積水ハウスは同社で建てた住宅のリフォームに限って、独自に最大15万円分のエコポイントを上乗せするサービスも開始している。政府発行分と合わせ最大45万円分のポイントを受け取れ「問い合わせが増えている」(同社)という。

 マンションを販売する不動産会社の対応も進む。三井不動産は今後、首都圏で発売するマンションをエコポイント対応にする。三菱地所も今後発売のマンションについて対応させる考えで、第1弾として4月下旬に神奈川県藤沢市で「パークハウス江ノ島」を発売する。申請すれば、すべての住戸で30万ポイント(1ポイントは1円相当)が発行される見通しだ。

 内窓を付けたり、外壁や床を変えるリフォームでも断熱性能など基準を満たせばポイントが付与される。このため、トステムやYKK APなど大手住宅設備メーカーは対応の内窓や外窓などを発売。トステムは対応した内窓の販売が2月は「前年同月比で2.5倍に増えた」(同社)という。

 住宅版エコポイントは、比較的市場規模の小さなリフォームに大きな影響を及ぼしそうだ。日本総合研究所によると住宅版エコポイントによる2010年のリフォーム市場の需要押し上げ効果は3900億円。省エネを伴うリフォームの市場規模は6500億円と推測されるため、市場は6割も拡大する計算になる。

 ◆効果は限定的か

 ただ、09年に45年ぶりという低水準に落ち込んだ新設住宅着工件数への影響は、限定的にとどまりそうだ。環境対応の新築住宅は高価なため、最大でも30万円の住宅版エコポイントで購入を後押しするには物足りない。新築住宅へのエコポイント効果について、日本総研の熊谷章太郎研究員は「プラスに働くが、住宅ローン減税や贈与税の非課税枠の拡大に比べれば効果は小さい」と分析している。

 エコポイントの申請は住宅エコポイント事務局に書類を直接郵送するか、建材メーカーなど全国約3800カ所に設置された窓口に書類を持参して行う。ポイントは環境配慮製品や商品券と交換したり、環境保全活動団体に寄付したりできる。申請期限は一戸建て住宅で11年6月30日まで、マンションは10階建て以下が11年12月末、11階建て以上が12年12月末まで。(大柳聡庸)

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引用元:エミルクロニクル(Econline) 総合サイト

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